「ケーキの切れない非行少年たち」著者:宮口幸治

お勧めの本

最近読んでお勧めの本をご紹介いたします。

宮口幸治さんの「ケーキの切れない非行少年たち」という本です。

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著者:宮口幸治さんについて

立命館大学の産業社会学部教授です。

京都大学工学部を卒業して、建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業しております。

児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務し、2016年より現職。

困っている子どもたちの支援を行う「コグトレ研究会」を主宰。

医学博士や臨床心理士でもあります。

ケーキの切れない非行少年たち

丸いケーキを3等分にできる?

児童精神科医である筆者は多くの非行少年たちと出会う中で「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気付きます。

皆さんは、丸い円が描かれた紙があり「ここに丸いケーキがあります。3人で食べるとしたらどうやって切りますか? 皆が平等になるように切ってください」と出題されたら、どのように考えますか?

多くの人がメルセデス・ベンツのロゴマークのように線を引き、3等分するでしょう。

しかし、凶悪犯罪に手を染めた非行少年たちの中には、このようにケーキを切れない者が少なくないそうです。

これはなぜでしょうか。

認知力が弱い

彼らは、認知力が弱いため「ケーキを等分に切る」ことすら出来ないのです。

人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開しております。

「非行少年」や「少年院の子供」というだけで世間の目は冷たいですが、そのバックボーンをしっかりと理解することで、彼ら彼女らを理解し、そして子供の教育について考えることができます。

彼らは優しい

少年たちが更生するには、自分がやった非行としっかり向き合い、被害者の立場から考えることが必要です。

ただ、そもそもその力がない“反省以前”の状態の少年がとても多いのです。

ところが、彼らに『もし大切な家族や最愛の恋人が犯罪被害者になったらどう思う?』と問うと、絶対に許せないと真剣に答えます。

「他者の視点に立つ」という考え方ができないのです。

他者の視点に立つところまで誰かが手伝ってあげれば、そこで取返しのつかないことをしてしまったと気づけますし、逆にいえば、そこまで言わなければ、気づかないのです

周りの人たちに対する理解が深まります

私もタイトルに惹かれ、本屋のポップに惹かれて購入しましたが、「どうしてこんなに簡単なこともできないんだろう」と考えていること自体が、ケーキを3等分に出来ない人たちを理解できていなかったと認識を改めさせられました。

もしそういった人が周りにいた場合、どうやって教育していけばよいかも記載があります。

そして、非行少年だけでなく、「なんでこんなに簡単なことができないんだろう」という考え方を改めさせてくれます。

他者を理解することを考えさせてくれる一冊です。

人間関係でうまくいかないと思っている人にもおすすめできますし、子育てで悩んでいる人にも読んでほしいです。

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