人間の思考力の限界に挑む矛盾やパラドックスの問題

話のネタ

日常生活で直面する様々な問題に挑む力、それが「思考力」です。

人間には物事を深く考える力があります。

人間以外の動物でも思考力は持っていますが、人間ほど優れた思考力をもっている動物はいません。

難しい問題でもその思考力を使って解決していくことは、人間に与えられた特権ですね。

ただ、その思考力をもってしてもなかなか解決できない問題も存在します。

今回紹介するお話しは、どこかで聞いたことはある問題です。

それでもそれを誰もが納得できるように解決することは出来ないかもしれません。

でも、それでいいんです。

悩んで悩んで、考えて考えて、自分の思考力や考えの幅を広げていきましょう。

さあ、頭をカラッポにし、考えつくしてください!

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タイムマシンのパラドックス

タイムマシンが当たり前になった未来。
自分が大好きな小説を、過去のその作者に手渡したい、そうしたら間違いなくこの小説が作られたことを確認できるだろう。
そう思ってあなたはタイムマシンに乗り、過去のその作者に会い、その小説を渡しました。

この小説を受け取った作者が一言一句その小説を書き写して世に出したら、その小説はオリジナルということになるのでしょうか。

また、「この小説はいずれ大ヒットする」ということを作者が知ってしまった、ということは今後の未来に影響しないのでしょうか。

いずれにせよ、過去へ戻り過去へ影響をあたえてしまうと、現在にはどのような影響が出てくるのか、ちょっと怖いですね。

一方、「パラレルワールド」という考え方もありますね。ある一点から分岐して、並行した世界がいくつも存在する、というものです。

パラレルワールドであれば、過去を変えても自分がいた現在には影響がなく、また別の世界が存在していくことになります。

これは、実際にタイムマシンが完成したらいずれ解決する問題かもしれませんね。

テセウスの船

一艘の木造の船があります。
しかし、年数が経過して、やがて修復が必要になってきました。
そして、傷んだ部分のみを交換していったので、船の形状は保たれています。
年数が経過していくと、船の劣化はさらに進んでいき、傷んでは直し、傷んでは直しを繰り返していきましたが、船のあるべき姿は保っていきました。
ある時、傷んで交換していった部分が実は捨てられていなかったという事実が判明しました。
「このオリジナルのパーツを集めれば、元の船が出来上がるのではないか」とある人が考えました。
こうしてその船は、元あった部材は全て新しいものに置き換えられ、一方で元の部材のみを集めた船も完成しました。 

元の船の形状を保ってはいますが、修復のために全てのパーツが取り替えられた船。

元の船の部材を使い、形もそのままだけど最終的に組み上げたのは別の人で、船としては機能しない船。

オリジナルの船はどちらなのだろう?

トロッコ問題

ブレーキが故障して暴走しているトロッコ。
このまま進めばその先には5人の作業員がいて突っ込んでしまう。
あなたの目の前にはトロッコの分岐ハンドルがあって、それを操作すれば進路を変えることができる。
ただ、進路をかえるとその先には1人の作業員がいる。

あなたはハンドルを切るべきか、それとも切らないべきか。

これから起こることを考えれば、ハンドルをきって「1人を犠牲にして5人を救う」という選択が正しい、という意見があります。

ただ、これには「ハンドルを切る」というあなたの意思が働きます。

あなたの意志によって1人の人間の命が犠牲になるわけですから、それは殺人である、という見方もできます。

かといって、「ハンドルを切らない」という選択が良いのかというと、そう簡単なものではありません。

5人も1人も、どちらが正解か、全ての人が納得できるような正解は存在するのでしょうか。

クレタ島の住人

あなたはクレタ島という島にたどり着きました。
いちばん初めに会ったクレタ島の住民は「この島民は皆嘘つきだよ」と言いました。 

この発言が真実なら「全てのクレタ島の島民が嘘つき」となり、発言者自身も嘘つきとなるので、矛盾が生じます。

一方で、この発言が嘘だとすると、「全てのクレタ島の島民は正直者」ということになり、発言者は逆のことを言っているので、これも矛盾となります。

この矛盾はどう考えればいいのでしょうか。

ただ、実際は全ての事柄に嘘をつく人というのは考えにくいですね。「嘘はつくが、毎回嘘をつくというわけではない」というのが一般的な嘘つきの定義ではないでしょうか。

そう考えるとこの人自身が一般的な「嘘つき」である、という解決方法を出すことができますね。

水槽の中の脳

ここに水槽の中に入った脳みそがあります。
ホルマリン漬けのようにも見えますが、この脳みそは実は生きています。
この脳みその持ち主は、ひどい事故に遭い、脳みそ以外は助かりませんでした。
幸い、脳みそには損傷はなく、特殊な液体の中でコンピューターにつなぎ生きながらえている状態です。
しかも、この脳みその持ち主は感情もあるし、痛みや幸福も感じ、今までと同じように生活もできています。
ただし、コンピューターが作った仮想現実の中で。
それでもこの脳みその持ち主は、それが仮想現実とは疑いもしません。

誰でも同じように考えたことはあると思います。今この現実が実は夢で、夢の中の自分が本当の現実なのではないか、と。

また、仮想現実はすでに現実でも作られており、自分とはまったく異なったキャラクターをゲームの中で動かしている人も多く、ゲーム内だけのコミュニティーが存在します。

もしかしたらあなたが見ている景色も仮想現実の世界なのかもしれませんし、それを完全に否定することは難しいかもしれません。

ただ、自分だけでなく、すべての人が仮想現実の中で生きているのであれば、それはそれで問題はないのかもしれません。

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