今回は、綾辻幸人さんの『館シリーズ』をご紹介いたします。
新本格ミステリという先駆けの館シリーズで、「新本格」という言葉も綾辻さんから使われ始めています。
館シリーズは9作品出版されており、今回は第三作目までをご紹介いたします。『十角館の殺人』『水車館の殺人』『迷路館の殺人』です。
館シリーズとは
綾辻行人さんの推理小説のシリーズです。
建築家・中村青司が建築に関わった建物で起こる様々な殺人事件を、素人探偵の島田潔が解決していくという推理小説のシリーズです。
この中村青司という建築家は、「秘密の抜け道」や「隠し部屋」が好きで、それぞれの作品の館でも本格ミステリの禁じ手とされている「秘密の抜け道」や「隠し部屋」が作られており、それがまた物語を面白くしていまs。
それぞれは独立しているの物語ですのでどれから読んでも楽しめますが、順番通りに読むことでよりストーリー性を持たせることができます。
特に第1作の『十角館の殺人』は新本格ムーブメントの嚆矢となり、日本ミステリ史上の傑作の一つとされています。
『十角館の殺人』
綾辻行人さんのデビュー作で、館シリーズの第一作目です。1987年出版。日本のミステリー界に大きな影響を与え、新本格ブームを巻き起こしたとされています。
『十角館の殺人』あらすじ
大分県K**大学・推理小説研究会のメンバー7人が、孤島・角島へ合宿に向かいます。その角島では、半年前に青屋敷と呼ばれる自宅で建築家・中村青司が焼死してます。そこに建てられた「十角館」で1週間を過ごすメンバーですが、1人の死によって連続殺人が起こっていきます。
『十角館の殺人』感想
日本ミステリ史上の傑作の一つとされている本作ですので、ミステリ好きでまだ見たことがない人は是非読んでみてください!
アガサクリスティーの『そして誰もいなくなった』をベースにしている作品でもあり、「あの1行」の破壊力がとてつもないものとなっています。
30年以上前の作品ですが、まだまだ現役でいけます!
ミステリ好き・推理小説好きなら読んでおかないといけない一冊です!
館シリーズはここからですので、まだの方はこの機会にぜひ!
『水車館の殺人』
『水車館の殺人』あらすじ
山あいの森に囲まれてたたずむ、三連の水車供えられた「水車館」。1年前のあらしの夜、女が墜落死し、男が殺害され、一枚の絵と一人の男が消えた。翌年、またしても惨劇が起こる。
『水車館の殺人』感想
仮面の当主と、孤独な美少女と、異形の館、というもう殺人事件起こりますよ!というシチュエーションですので、バリバリの推理小説です。
1年前の事件を思い出しながら物語が進んでいって、各章も「現在→過去→現在→過去・・・」という構成で、過去の事件を現在で解決していくという進行です。最後は現在で締めくくりますがやはり事件が起きて、、、
シンプルな王道の推理小説という感じで、現在と過去を繰り返しながら謎が徐々に明らかになっていく進行は読むのが止まらなく、一気読みしてしまいます。そしてそのシンプルさが「やっぱり推理小説って面白いな」と気付かせてくれる作品です。
テンポも進行も良く変な間延びもないので、物語序盤の伏線もしっかりと回収されて、読後はスッキリ爽快です。
『迷路館の殺人』
『迷路館の殺人』あらすじ
地下が文字通り迷路になっている奇妙なの館、迷路館。そこに招かれた四人の作家たちは莫大な“賞金”をかけて、この館を舞台にした推理小説を書き始める。しかし、その小説通りの殺人が連続して起こっていく。
『迷路館の殺人』感想
メインの物語は、作中作(作品の中に小説があって、その中の小説の物語)という構成です。
その作中作も一つの物語としてハラハラドキドキで読み進んでいきますが、こちらもテンポよく間延びしない進行ですので一気読みです。
冒頭とラストは、その作中作を読んでいる人物で始まり、終わるのですが、そのラストでのどんでん返しは見事にやられました。
登場人物も限定されていて分かりやすかったのですが、その分かりやすさがラストのどんでん返しをさらに驚くべき展開にしてくれます。
『水車館の殺人』は直球の推理小説でしたが、『迷路館の殺人』は変化球の推理小説ですね。
まとめ
『十角館の殺人』は、ミステリー界を代表する作品ですので、一度は読みたい一冊です。
『水車館の殺人』は、シンプルだからこそ面白い王道推理小説です。
『迷路館の殺人』は、最後のどんでん返しにやられたい人にはお勧めです。
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