オペレーター離職率はコールセンター管理者にとって大問題です

コールセンターで働くこと

労働集約型産業であるコールセンターでは、オペレーターをいかに長く働いてもらえるか、ということがとても重要になってきます。

離職率はその企業の働きやすさとイコールで考えられることも多く、面接時に質問があったりもします。

離職率が低い = 働きやすい
離職率が高い = 労働環境に問題があるのではないか

このように感じる人もいます。

今回はコールセンターにおける離職についてご説明していきます。

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離職率について

離職率とは

一般的に言われる離職率の定義は、「一定期間を定め、その期間内にどれだけの社員が離職したか?」の割合です。

多くの企業では、期初~期末までの1年間で退職した人の割合で使われることが多いです。また新人の離職率はなどは、入社3カ月や6カ月の期間で見ることも多くあります。

一般的な離職率の計算

それでは、離職率はどのように算出すればよいのでしょうか。

厚生労働省では、離職率を以下のように定義しています。

離職率の算出

離職率 = 離職者数 / 1月1日現在の常用労働者数 × 100(%)

※4月が期初の企業も多いと思うので、そうであれば1月1日ではなく4月1日の労働者数で算出すべきかもしれません。

ただ、これには該当の期間内に入職した離職者は計算できないという問題があります。コールセンターは常にオペレーターを募集していると思うので、もう少し違った計算方法が必要かもしれません。

コールセンターでの離職率の計算方法

次に、コールセンターでの離職率の計算方法についてご説明します。

例えば、毎月10名のオペレーターが入職した場合、1年で120名のオペレーターが入職したことになります。この1年で120名入職したうちの15名が退職した場合の1年間の離職率はどのように計算したら良いでしょうか。

コールセンターでの離職率の算出

(対象期間内に入職した)離職者数 /(対象期間内の)入職者数 ×100(%)

この計算方法で、この一年間で入職し、離職したオペレーターの割合を計算することができます。

今回の例では、 15名 / 120名 × 100 = 12.5% となります。

特に入職して3カ月以内、6カ月以内の離職は現場の体制などを見直す目安になると思います。

あくまでも該当の期間内に入職したオペレーターを対象としておりますので、該当の期間以前に入職していたオペレーターは対象外となる計算方法ですのでご注意ください。

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コールセンターでの離職率の原因と改善

それではオペレーターの離職の原因はどういったものでしょうか。以下の4つのフェーズに分けて考えていきます。

  1. 採用
  2. 研修
  3. 現場デビュー~3カ月後
  4. 現場デビュー~6カ月後

採用時のギャップ

一つ目は採用時と入社後のギャップです。

採用時のポイントは2つあります。

  • 「誰でもできる」業務という募集文句
  • 面接時の意識合わせ

オペレーターを募集する際に「誰でもできる」と謳って採用していると、入社後のギャップに戸惑ってしまう人も多くいます。「誰でもできる」業務と、高めの給与につられて入社した人は結果的には「自分に合わない」「業務が辛い」と早期の退職に繋がっていきます。

はたしてコールセンターでの業務は「誰でもできる」ものなのでしょうか

面接時にしっかりとした業務内容や求められるスキルの提示をし、正社員のようなイメージをもって面接・採用に取り組むことが良いでしょう。

直接雇用の場合は採用時のフィルターとして面接がありますが、派遣の場合は基本的に紹介されるまでは分からないので、派遣会社を信頼するしかありません。せめて事前に顔合わせの場を設けるような要望を出してみるのも一つの手段です。

人をできるだけ集めたいという上の方々の考えは分かりますが「誰でもできる」「簡単な仕事」という募集内容は控えた方が、結果的には長期的に働いてくれるオペレーターを集めやすいことになります。

これは、現場の考え方が強い考え方です。採用戦略は人事や経営管理部などの現場をあまり理解していない部署が行うことが多いと思います。

現場は質を求めて、人事や経営管理部は量を求める、というようなジレンマはなかなか解消されないのは事実だと思います。現場がしっかりと現状や要望を伝えていくことが大切です。

ちなみに、「コールセンター白書2018」データだと、新人は、コールセンター経験者は全体の約40%で、約60%はコールセンター未経験者だそうです。特にコールセンター未経験者が「誰でもできる」と思って入社してくると、その後のギャップにびっくりしてしまうことがあるかもしれませんね。

研修期間や内容

入社してからの研修期間や研修内容も重要です。

まずはオペレーターの気持ちと、研修をする人の気持ちの違いを理解しておきましょう。

オペレーターの気持ち
  • こんなに覚えること多いの?
  • こんなに内容難しいの?
  • パソコン操作大丈夫かな?
  • 音声聞いたけどこんなにうまく話せる自信ない
研修する人の気持ち
  • なんでこんな人採用したの?
  • パスコン使えないじゃん
  • まったくコミュニケーション能力ないんだけど
  • 聞いてたシフトと全く違うんだけど

これも採用時のギャップが原因です。

だからこそ現場デビュー前の研修はじっくり時間をかけて行うことが必要です。例えば大手コールセンターの研修は、約80時間をかけて以下のことを行っています。

  1. コールセンター基礎研修
  2. 模擬電話訓練
  3. 敬語の使い方
  4. 顧客対応研修
  5. PCタイピング
  6. 実践ロールプレイング

そして、人を教育するにあたって重要なのは「褒める」ことです。特に未経験の人はまったく知らない世界に飛び込んできたわけですから「褒める」という要素を取り入れ、「モチベーション・マネジメント」をする事が重要です。

現場デビュー~3カ月後

一番重要な期間が、現場デビュー後~3カ月間です。

コールセンターでの離職は3カ月以内が大半です。逆に言うと、3カ月を過ぎれば簡単には辞めない、ということです。

現場デビューして初めて経験することは多いです。ここで採用時と入社後のギャップをモロに体験します。

基本的な教育は引き続き「褒める」ことです。オペレーターのモチベーションをうまくコントロールしていくには「褒める」ことが必要です。

山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」という言葉を常に頭に入れながら研修をしていきましょう。

そして新人を担当しているSVはオペレーターに何を聞かれても笑顔で対応することを心がけましょう。間違っても「それさっき言ったよね」「何回も聞かないで」とは言っていけません。

現場デビュー~6か月後

デビュー3カ月を過ぎれば業務には周りの人間関係にも慣れてきている頃です。それ以降は定着してくるはずですが、ここまで継続して離職する場合は、おそらく業務以外の問題がほとんどです。

特に3月など、年度末での退職は多くなります。

これを避けるためには定期的な面談が必要になります。1対1で面談することによって、普段言えないことも話してくれることもあります。差し支えない程度のオペレーターのプライベートもヒアリングしておきましょう。

事前に退職の理由となりそうなネックがヒアリングできれば打つ手も出てきます。

業務に慣れてきたからといって放置は絶対にNGです。

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離職率を下げることは全体のレベルアップにつながる

長く働いてくれるオペレーターが増えれば増えるほどその組織は強くなっていきます。

いいことばかりです。

  • スキルが定着していく
  • 知識が積み重なっていく
  • 社風が馴染んでくる
  • 管理者との信頼関係も構築できてくる
  • 管理者の意図をくみ取ってくれやすくなる
  • 先輩が新人を教えてくれる
  • 管理者がオペレーターを頼ることができる
  • オペレーターの中からSVが誕生する

離職率を減らすことは、チーム全体で取り組んでいくことです。チーム全体で離職率低下に向き合っていくことでより組織力を高めていきましょう。

でも、どうしても辞めたくなったらこちら

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