『日々是好日』著者:森下典子

お勧めの本

最近読んでお勧めの本をご紹介いたします。

森下典子さんの「日々是好日(にちにちこれこうじつ)」という本です。

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「日々是好日」の意味

「日々是好日」は「にちにちこれこうにち」と読みます。

これは禅語で、漢字の意味そのままで「毎日毎日が素晴らしい」という意味です。

そこから、毎日が良い日となるよう努めるべき、とか、そもそも日々について良し悪しを考え一喜一憂することが誤りであり常に今この時が大切なのだ、とか、あるがままを良しとして受け入れるべきだ、などと解釈するようになりました。

本のタイトルは「にちにちこれこうじつ」となっておりますが、森下さんがもともとこのように覚えていたため、今回はこちらを使ったそうです。

『日々是好日』のあらすじ

筆者の森下典子さんの実体験が元になって書かれており、森下さんがお茶から学んだことが綴られています。

サブタイトルとして、『「お茶」が教えてくれた15にしあわせ』とあるように、「まえがき」と「序章」の後には第一章~十五章まであり、各章が「お茶が筆者に教えてくれたこと」の内容になっています。

全体を通して「日々是好日」のタイトルの通り、日常で感じたことの素晴らしさや季節の移り変わりへの気付き、お茶が森下さんの生活に一部になっていく様が書かれています。

逆に、人生の一大イベントはとてもあっさりと書かれており、本当に「お茶」をテーマにした作品なのだと感じました。

また、文中で出てくる道具をカラーページで説明しており、「お茶」の知識が少ない人でも道具がイメージできる作りになっております。

まえがき

世の中には、「すぐにわかるもの」と、「すぐにわからないもの」の二種類がある。
すぐにわかるものは、一度通りすぎればそれでいい。けれど、すぐにわからないものは、(中略)後になってすこしずつじわじわわかりだし、「別もの」に変わっていく。そして、わかるたびに、自分が見ていたのは、全体の中のほんの断片に過ぎなかったことに気づく。

まえがきの中の一文にこうあるように、全体を通して、日常のすばらしさをお茶を通して感じていることをひたすら書いています。

それは誰もがイメージできるような書き方をしていて、私も実際に読みながら今までのことを違う視点で見ることができるようになりました。

序章

ある日、母が突然切り出した。
「典子、あんた、お茶を習ったら?
「えっ!なんで私が・・・」

これがきっかけでお茶を習うことになります。

いとこのミチコが「私、習いたい!」と言ったところから二人でお茶を習うことになります。どんなことも入り口はこういった些細なことですね。

ここから25年の長い年月をお茶とともに歩み始めていきます。

第一章~十五章

それぞれの章でお茶からの学びが書かれています。

感じること・考えること・生きること、など、日本人が今まで大切にしてきたことを季節と年月の移り変わりをとてもうまく表現し、読者の頭にそれがイメージできるように書かれております。

現実の季節は夏なのに冬の寒さや雪景色が想像できたり、
現実の季節は冬なのに夏の暑さや水しぶきが想像できたり、
とても鮮やかに頭の中で想像ができました。

映画としての『日々是好日』

映画化もされています

2018年10月に、黒木華さん・樹木希林さんなどのキャストで映画化されています。

本ではなかなか表現が難しい、お茶の道具や掛け軸などが映像として観ることができるので、より作品の良さを感じることができますね。

著者:森下典子さんのコメント

映画化にあたり茶者の森下さんはこうコメントされています。

お茶を習いに行くようなつもりで、観に来てくれたら良いなと思います。派手なBGMも使っていませんし、水の音と、湯の音が聞き分けられるくらい、静かなシーンが続くので、そんな空間で時間を過ごしてもらえたら。毎日が慌ただしく、追い立てられる生活を送る私たちに、いま必要な映画になっているのではないでしょうか

「現実から目を背けたいけど、SFやヒーローものはちょっと違うな」「とにかくゆっくりとした時を過ごしたいな」という気持ちの人にはお勧めです。

本と合わせて映画もご覧になってください。

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