コールセンターのコロナ対策-コールセンターで3密を避ける方法

コールセンターの日常

新型コロナウィルスが猛威を振るう中、コロナウイルスの感染を恐れながらコールセンターで業務を行っている人もいると思います。

窓の開かない部屋の中で、100人以上のオペレーター1メートル以内に隣接して配置されているという環境での勤務のコールセンターもあると聞きます。また、座席は日々変わり、パソコンやキーボード、通話用のヘッドセットを他人と共有していることも不安要素です。

今回はコールセンターでの3密やコロナウイルスの対策について解説していきます。

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コールセンターでの3密

2020年3月9日に実施された新型コロナウィルス対策の政府専門家会議にて、以下について発表がありました。

集団感染が確認された場所に共通するのは以下の3つの条件が同時に重なった場合で、これらの3つの条件が同時に揃う場所や場面を予測し、避ける行動をとってください。

  • 換気の悪い「密閉空間」
  • 多数が集まる「密集場所」
  • 間近で会話や発声をする「密接場面」

いわゆる、「3密」ですね。

【チラシ】「3つの「密」を避けましょう」(出典:首相官邸・厚生労働省外部リンク)

それではこの「3密」はコールセンターではどのような状況でしょうか。

換気の悪い「密閉空間」

ビルの高層階にあるコールセンターであれば、窓がない・窓が開かない部屋で業務することもあります。また、個人情報保護の目的から入り口の扉を開けっぱなしにすることも厳禁です。

空気清浄機は空気中に浮遊する一部のウイルスを捕捉する製品ですので、人の皮膚や硬い表面に付着したウイルスを捕捉することはなく、過度な期待はできません。

多数が集まる「密集場所」

コールセンターの人口密度は高いです。

コールセンターは労働集約型のビジネスモデルの代表格ですから、一つの空間に大勢のオペレーターが勤務しており、「密集場所」での業務です。

間近で会話や発声をする「密接場所」

座席も固まっているため、すぐ隣は誰かが座っています。もちろん話すことが仕事ですので、常に会話・発生は起こっています。「密接場所」です。

まさに「3密」の全てが当てはまる職場ということになりますね。

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コールセンター業務を在宅で行うことは可能か

チューリッヒ保険の件

業界で密かに注目を集めているのが、チューリッヒ保険の在宅ワークでの対応です。
既にご存じの方も多いと思いますが、在宅勤務率が90%の体制で、サービスレベルは通常時と変わらないというのです。

それでは他社も同様のことをすればいいじゃないか、というとそうでもありません。

チューリッヒ保険は2011年の東日本大震災をきっかけにして、2013年当時から検討が進められてきています、また、台風などの自然災害や東京オリンピック時の在宅勤務の体制を目指して数年単位で業務設計面を進めてきていたのです。

ですので、いきなりチューリッヒ保険と同じ体制やサービスレベルで対応ができるわけではありません。

チューリッヒ保険の在宅対応については下記リンク先を参照してください。

95%の在宅勤務率を実現、コールセンターのシステム・運用についてを緊急公開
チューリッヒのニュースリリース、95%の在宅勤務率を実現、コールセンターのシステム・運用について緊急公開、について。

KDDIの子会社の件

また、2020年4月24日には、KDDI子会社のオペレーターが3密環境の改善などを求め、労働組合に加入した上で会社側に団体交渉を行いました。

下記リンクを参照してください。

コールセンターの「極限3密」苛酷実態、非正規雇用の不安が追い打ち
「職場は3密の極み」――。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、コールセンターで働くオペレーターたちが怒りの声を上げている。会社員の在宅勤務が進んだのに、非正規雇用が多いオペレーターは今も、多人数がひしめく密閉空間で顧客対応に追われているの...

コールセンターを在宅で行うためには

それでは、コールセンターの業務を在宅で行うためには何が必要なのでしょうか。

パソコンやヘッドセット

まずは、パソコンやヘッドセットが必要ですね。さすがにプライベートのパソコンを仕事で使うことは個人情報の面でも危険ですし、自分の私物を使うのは抵抗がある人もいます。

電話機

自宅の固定電話やスマートフォンに転送する、というのはできないことはないですが、さすがにアレなんで、ここでは除外します。

発信や受信を行う電話機は、パソコン内にソフトフォンをインストールすれば可能です。

電話発信システム・受信システム

今はクラウドでのCTIやPBXがあるので、システムの構築時間はかかりそうですが何とかなりそうですね。

リスト

会社から貸与されたパソコンを使い遠隔操作で業務を行えば、自宅にいても会社のリストを使うことができます。

個人情報の運用

おそらくこれが一番のネックになるかと思います。

発信系の業務であれば、どうしてもお客様の情報は必要です。受信系の業務であれば、お客様の情報をメモしたり入力したりするために必ずヒアリングする必要があります。

チューリッヒ保険ではお客様情報を外部に持ち出すことはできない設計になっています。

コールセンターの在宅勤務は現実的か

今から在宅勤務体制への移行を検討開始しても、ノートパソコンやヘッドセットの入手が困難であり、システムベンダーも対応の順番待ちの状況ですので、在宅勤務体制への移行は難しい状況です。

時間が経てば可能でしょうが、その頃には通常の勤務体制に戻っていることでしょう。

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それでも出勤が必要ならばコロナ対策でできることはなにか

それでも業務をストップできない場合はどうすればよいのでしょうか。3密の状態で行う際のコロナ対策を考えてみました。

不要不急の業務はストップする

一番はこれです。

特に発信系業務・獲得系業務はほとんどが不要不急の業務のはずです。また、発信先もこのような時世に営業電話があると不信感が大きくなります。

逆にカスタマー系や受注センターなどの受信系業務は、自宅で過ごす人が多くなればいつもよりも忙しくなりそうですね。

できる限り換気をする

窓を開けることができれば開けましょう。

また、個人情報の取扱いに十分注意しながらセンター入り口のドアを開けっぱなしにしましょう。

ソーシャルディスタンスを意識した座席配置

ソーシャルディスタンス(社会的距離)として、厚生労働省では相手との距離を2メートル程取ることを推奨しています。互いに手を伸ばして届く距離がだいたい2メートルです。

座席配置も一席空けて配置するのが良いでしょう。

これを実現するためにオペレーターの出勤を調整する必要性も出てきますね。

うがい・手洗い

オペレーター自身で実施してもらうことです。

こういったことは何回もお願いするしかありませんので、周知や声掛けでオペレーターへの意識付けをしていきましょう。

除菌

ドアノブ、電話機、インカム、キーボードなど、不特定の人が触る箇所はこまめに除菌しましょう。

管理者が行っている姿を見るとオペレーターも協力してくれるようになります。

オペレーターに毎朝検温させる

少しでも熱があれば大事を取ってお休みしてもらいましょう。これも周知で言い続ける必要があります。

コロナ対策には経営者の理解と決断が求められる

新型コロナウイルスとの戦いは長期戦になりそうです。

今は有事、という認識のもとで現場で働く従業員の命を守る行動と判断が求められるのが現状です。現場でできることは限られていますので、ここは経営層の理解と決断力が試される場面だと思います。

チューリッヒ保険の件もあり、コールセンターにおいても今後は「在宅勤務でのテレワーク」が一気に進んでいくのではないでしょうか。「出来ることから一日も早く取り組んでいく」それが今、経営層に求められていることです。

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