春を表す言葉・夏を表す言葉

言葉

美しい四季と厳しい自然と向き合ってきた日本。日本人だからこそ生まれた趣のある言葉があります。

その風情を楽しみ寄り添う心が表れている、春と夏の言葉を紹介します。

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春を表す言葉

春は芽吹きの季節です。

そんな春を待つ気持ちが言葉になっています。

素敵な日本語ですので是非口に出してみてください。

木の芽時(きのめどき)

木々の新芽が一斉に吹き出す頃です。早春。

この時期は精神的にバランスを崩しやすいと言われており、「木の芽時だからね」などと言われます。

朧月夜

「朧(おぼろ)」とは、ぼんやりしている・はっきりしない、という意味です。朧月夜は、春の夜に月夜が霞んでいる情景です。

霧や靄に包まれて霞んでみえる春の月を「朧月」とも言います。「春は朧」は、薄く曇ってぼんやりした景色です。

三寒四温

寒い日が3日続き、その後暖かい日が4日続く現象です。

春先にこのような現象が起こるので、この言葉が使われるようになったらもう春になっているのでしょうね。

草履道

春になるとぬかるんでいた田畑や道が乾いて、砂ぼこりがたつようになります。

それを小林一茶は「草履道」と呼び、「蝶とぶや 信濃の奥の 草履道」と読みました。

名残雪

「名残の雪」とは、春になっても消え残っている雪や春に入ってから降る雪のことです。

「名残雪」はイルカさんの「なごり雪」から生まれた言葉です。この曲が大ヒットしたことから「季節の言葉」として認められました。

花嵐

桜の花の季節に強く吹き付ける風。

その風で桜の花が一斉に舞い散る様子もさします。

春告げ草

梅のことです。

春を告げる花として親しまれています。桜の前は梅ですね。

山笑う

草木が芽吹き、花が咲き、鳥がさえずる春の山を「山笑う」と形容しました。

正岡子規には「故郷や どちらを見ても 山笑ふ」という句があります。

春はあけぼの

清少納言の随筆「枕草子」の冒頭です。

「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」は有名で、「春はあけぼの(明け方)がよい」といっています。

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忘れ霜

春の終わりの頃に急に気温が低下して、忘れていたかのように霜が降りることです。

春はまだまだ気温の変化に気を付けないと体調を崩しやすくなりますね。

暮れなずむ

非が暮れかけてから暗くなるまでの間の時間帯です。

「なずむ」は「泥む」と書き、物事が停滞するということです。

春霖

「しゅんりん」と読みます。

「霖」は、しとしとと長く降り続く雨のことで、春に静かに降る長雨を「春霖」といいます。

また、秋に振る長雨は「秋霖(しゅうりん)」といいます。

下萌え

春になって、枯草に隠れるように草の芽が地中から出始めることです。

「下」は枯草の下を意味します。また、「萌え」は、草木が芽ぐむという意味です。

春麗ら

春の麗かな様子。

「麗か」とは日が柔らかくのどかに晴れている様子を表します。

春一番

立春を過ぎて最初に吹く強い南風。

もともとは長崎県周辺の漁師が使っていた言葉で、春先の強風によって遭難のきっかけになってしまう風のことを春一番と呼んでいました。

夏を表す言葉

新緑から真夏・晩夏まで、夏の風情は移り変わっていきます。

そんな情景が思い浮かんでくる言葉です。

こちらもさらりと口にすると素敵ですね。

薫風(くんぷう)

「薫」は良い香りを表します。

新緑が茂るなか、その若葉の香りを載せてさわやかに吹きぬけてくるような初夏に吹く南風です。様々な南風の中でも清々しさを感じさせる風です。

打ち水

路地や玄関先・庭先に水を撒くことです。

厚さをやわらげて、涼を取る目的で行われる打ち水はヒートアイランド対策としても推奨されています。

夏霞

霞といえば春を連想しますが、夏に発生する霞もあります。

夕立があった翌日などによく見られます。

精霊(しょうりょう)流し

初盆に、死者の魂を弔って送る行事で、長崎県で行われる風習が有名です。

盆提灯や造花などで飾った精霊舟を川や海に流します。

早乙女(さおとめ)

田植えをする女性のことを早乙女といいます。

古くから、女性の生殖力が稲に霊的な影響を及ばすと考えられていて、田植え神事には女性が揃いの姿で一列に並んで苗を植えました。

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青梅

梅雨の頃、まだ熟さない梅の実(青梅)がたわわになります。これを収穫して梅酒や梅酢を作ります。

夏目漱石の句に「青梅や 空しき籠に 雨の糸」があります。

空蝉(うつせみ)

セミの抜け殻のことです。

この世(現世)に生きている人である「現し身(うつしみ)」が転じて「空せ身」となり、魂の抜け殻という反対の意味になりました。

火取虫

橙火に集まってくる虫のことで、蛾やコガネムシなどです。

また、そのまま焼かれて死んでしまうことから、自ら危険なところに身を投じることを「飛んで火にいる夏の虫」というようになりました。

逃げ水

蜃気楼の一種で、風がなく晴れた暑い日に、舗装された道路の遠くに水があるように見える現象です。

近づいても水がなく、さらに遠くに見えることから「逃げ水」といわれます。

日暮

カナカナカナカナと鳴くセミです。日暮れ時に鳴くことから、「日を暮れさせるもの」としてこの名前が付きました。

季語としては秋ですが、実際は梅雨ころから鳴き始めます。

蚊遣火(かやりび)

ヨモギの葉や松葉など非を火にくべて、いぶした煙で蚊を追い払う風習です。江戸庶民の風物詩でした。

現在では除虫菊を原料とした蚊取り線香がその役目をしています。

入道雲

積乱雲の別名です。雷雲ともいいます。

入道とは、仏門に入った人だけでなく坊主頭の人に対してもいう場合もあり、もくもくと雲が積み重なっていく様子は、入道が空に立ちはだかるように見えることからこの名がつきました。

山滴る

若葉から濃い緑になった木々に覆われた山を表現した季語です。

美しさや鮮やかさがあふれるばかりといった情景です。

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