コールセンターの現場管理では様々な数値が出てきます。それを適切に管理して、改善していくことが管理者に求められる能力です。
コールセンターの管理者は現場管理能力ももちろんですが、数字に強くなければなりません。
今回は、アウトバウンドでみるべき基本的な数字について解説していきます。
コール数(DPH)は適切か
アウトバウンドのコールセンターにおいて、コール数基本中の基本の数値です。
コール数は多すぎても少なすぎてもいけません。その業務の平均的な数値が一番の指標となる数値です。多すぎる理由・少なすぎる理由を納得いくまで追求し、改善していく必要があります。
一時間当たりのコール数を「DPH」と言います。「DPH」とは「Dial Per Hour」のことです。この数値が適正かどうかを見ていきましょう。
※コール数についてこちらに詳しく書いています。
コール数(DPH)が多い
コール数が多すぎてもいけません。コール数が多い場合はどういったことが想像されるでしょうか。以下のケースが考えられます。
①コンタクトしてない
お客様と話せていないケースです。お客様と話せてないので、ずっとコールだけしている状態なので、コール数は多くなってしまいますね。
コールすること自体が目的ではなく、お客様と話して何かを案内することが目的ですので、まずはお客様と話すことができなければ何か対策を立てないといけませんね。
地域や年齢層などのリストのセグメントを確認して、リストを変えることが必要です。どうしても他のリストがなければ呼び出す時間を長めにしたり、思い切ってコールをやめて研修をするなど時間の使い方を変えてみましょう。
②フロント突破できていない
一番始めの難所で、一番難しいのがフロント突破です。フロントが突破できないとその後のメリット説明や交渉に入ることができません。そしてコール数だけが増えていきます。
フロント突破のコツは「あ、なんかこの人いい人そうだな」と思わせる話し方です。
笑声を意識した第一声の練習をしていきましょう。
話し方は自分一人で一生懸命考えてもなかなか客観的には確認できないので、管理者がロープレをしてあげて、少しづつ修正していきましょう。
③断りに粘っていない
フロントを突破して本題に入っても、お断りに対して切り返せていないとそこで話は終わってしまいます。もったいないです。
お断りに対してのFAQを徹底しするように意識していきましょう。もしFAQがなければ管理者が作成をしていきましょう。
コール数(DPH)が少ない
逆にコール数が少ない場合はどういったことが想定されるでしょうか。
①さぼっている
コールしていない=さぼっているケースですね。
コールとコールの間が長く開いていたり、隣とおしゃべりしていたり、ちょっと見れば分かるので、その場で注意をしていきましょう。
この場合はすぐに改善できます。
②話し込みをしている
お客様と話し込みをしているときはコール数が少なくなります。ただ、これはコール数が少なくても問題ありません。むしろこういったケースは大歓迎です。
③お客様と無駄話をしている
お客様と話し込みをしていると思っていても、それが本編から外れた無駄話であれば改善すべきです。
話し好きのお客様はいますし、お客様のペースから抜け出せないオペレーターもいます。
また、成約に至らないことが明らかな場合でもそれが分からずに一生懸命トークしているオペレーターもいます。
管理者がモニタリング誘導して、話を切り上げさせてあげましょう。その後、しっかりとフィードバックしていくことで少しづつオペレーターのトーク力も上がってきます。
コンタクト(CPH)しているか
コールをしていても、お客様と話せていないと意味がありません。お客様に案内するにはいくらコール数が多くてもお客様にコンタクトできなければできません。
お客様とつながるリストを用意するのは管理者の仕事です。
年齢層や性別など、そのセグメントでコンタクトしやすい時間帯は適切か。初めて架けるリストであればコンタクトしやすいでしょうし、コールが3回目以上のリストであればよほど在宅率が高い時間帯(土日や夜)でないと架けるだけ無駄になってしまいます。
「CPH」とは「Contact Per Hour」で、一時間あたりのコンタクト数です。この数値が高ければ高いほど良い状態のリストです。
※コンタクトについてはこちらに詳しく書いてます。
NGの入力は適切か
「お断り」のステータスをあまりつけてないオペレーターって、結構います。
本来「お断り」にも関わらず「不在」にしてしまったり、もう一度かけてみようと思っていたり、そういった考え方のオペレーターっているのです。
「お断り」のステータスにしないと、もう一度そのお客様にコールしてしまうことになり、次のコールでもお断りになり、そのコールは無駄なコールとなってしまいます。
オペレーターの心理としては、「断り」をつけることに抵抗がある人もいるものです。
「このお客様、私以外の人が対応すれば話せるかもしれない」「忙しいって言ってたから、別の時間に架ければ対応してくれるかも」なんていう自分に都合の良い解釈をしている人っています。
また、「SPC」という指標を公開していると、断りにするとSPCが下がるということを知っていれば自分の成績に影響するのでなるべく断りをつけたくないと思っている人もいます。
断りをつけることは必要なことです。その理由として、
- 一度断られたお客様に次にかけるとクレームになる可能性がある
- 次に架けても断られる可能性が高いので効率が悪い
- 決着(成約やお断り)をつけることを指標としていることもある
などがあります。
断りをつける必要性を管理者がオペレーターに説明していきましょう。
成約率(SPC)は目標値に到達しているか
成約率は最も重要な指標の一つです。
成約率にもいろいろありますが、SPCとSPDとSPHについて解説していきます。
SPC(対コンタクト成約率)
重要な指標の一つにSPCというのがあります。Sales Per Contactです。
コンタクトしたうちどのくらいが成約につながっているか、の数値です。単に成約率ということもあります。Hit率なんて言うこともあるかもしれません。
オペレーター個々の営業力だと考えられます。
この数値が高いオペレーターはいわゆるトップオペレーターでありますから、そのトークをモデルケースとしてトークスクリプトを作ったり、研究していったりしましょう。
業務によって難易度は違いますから、その業務のSPCの目安を把握して、目標に到達していないオペレーターの様子をみてみましょう。
SPCは、営業力が分かる数値
SPD(対コール成約数)
成約率とコンタクト数を組み合わせたものがSPD(Sales Per Dial)です。
コールした件数に対しての成約率です。
対象がコール数ですから、コンタクトしなければコール数が高くなってしまい、結果SPDも低くなってしまいますし、SPCが高くてもSPDが低いということもあります。
営業力があってもさぼり癖がある人はSPDが安定しないかもしれませんね。
SPCが高くてもSPDが低い人は、話し込みをしているからSPDが低いのか、さぼっていてコール数が低いからSPDも低いのか、しっかりと見極めましょう。
SPDは、成約とコール数が両立できているかの数値
SPH(一時間当たりの成約数)
一時間あたりにどのくらい成約しているか、の数値です。
Sales Per Hourの略です。
SPCが高くて、コール数もコンタクト率も高ければ上がっていきます。
リストが豊富にある場合は、このSPHの数値が総合的にオペレーターを判断する一番の数値になります。
SPHはリストが豊富にある場合は、一番成約を上げてくれるオペレーターがわかる数値
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