コールセンターの管理者でもクレームの経験が少ない人は多いと思います。クレームがないのが一番ですが、そうでもありません。クレームの機会が少なければクレームの経験値も少ないので、なかなか対応スキルも上がりません。
それでも管理者であればクレーム対応は必須のスキルです。
また、クレーム対応は管理者の腕の見せ所であり、オペレーターからの信頼や尊敬を得る絶好の最高の機会です。
管理者としてのクレーム対応はどのように行っていくか、これはやはり経験の中から身に付けるのが一番ですが、コールセンター管理者のクレーム対応術を解説していきます。
クレーム対応に自信がないという人はこの記事で実践に向けて準備しておいてください。
クレーム対応の3つの基本
クレーム対応の一般的な基本的対応は以下の3つです。
- 人を変える
- 時間を変える
- 場所を変える
この3つを意識してクレームに対応するのが良いでしょう。
人を変える
クレームは対応する人を変えるだけでもかなり効果的です。
感情的にクレームをつける人は、会社や商品ではなく目の前にいる人へクレームをつけます。
「上司」「上席」「管理者」「責任者」など、責任ある立場の人に対応してもらうだけでも相手の気持ちは治まります。
クレームを言う人は、
お前じゃ話が通じねーんだよ!
あんたじゃ話にならないのよ!
という人がほとんどです。そういう状態だと、いくらこちらは話しても聞く耳を持ってくれません。
「自分では何を言っても無駄だ」と感じたら、
それでは、責任者に代わりますので、少々お待ちいただけますでしょうか。
と、早めに上長に代わってもらうようにしましょう。
時間を変える
相手の感情を落ち着かせるために時間をあけるのも基本的な対応です。
すぐその場で電話を代わるのではなく、オペレーターに何とか頑張ってもらって一度電話を切って改めてお電話するようにします。
人は長時間同じ感情を維持することは難しいことなのです。1時間もすればその怒りの気持ちも治まって落ち着いて対応できます。
管理者はモニタリングをしてオペレーターをうまく誘導してあげてください。
申し訳ございません。ただいま責任者が席を外しておりまして、、、
戻り次第折り返しご連絡をさせていただいてもよろしいでしょうか。。。
5分後でも10分後でも、次に電話を架けるときにはだいぶクールダウンしています。
可能であれば翌日に電話をする方が良いですがさすがにそれは遅すぎるので、1時間くらいは時間をあけたいですね。
それでもお客様が「待ってるから今すぐ変われ!」となれば、それ以上粘るのは逆効果ですので、オペレーターと代わりましょう。
場所を変える
「その場」で起こっているクレームは、環境を変えることで気持ちも落ち着いてきます。
店舗などの対面でのクレームであれば、他のお客様がいるところではなく裏の事務所などに移ってもらって対応するこもできますが、コールセンターではお客様に場所を変えてもらうのはちょっと難しいです。
接客業での対応であれば、お店の中ではなく事務所などの別場所にお客様を誘導して、場所を変えることでお客様もクールダウンします。
状況を変えることが大事
クレームでは、とにかくお客様の状況を変えることが大事です。
- 人を変える
- 時間を変える
- 場所を変える
複数の組み合わせで対応できればより良い対応ができるはずです。重要なのは、お客様のその場の状況を変えることです。コールセンターであれば、「人を変える」「時間を変える」の組み合わせで対応するとより効果的です。
クレームは、その人・その時・その場所で起きます。
そのどれかでも変えることが出来れば、お客様の気持ちも落ち着いて、冷静に話を聞いてもらえるようになります。
管理者のクレーム対応実践編
それでは管理者の対応はどのようにしていけばよいのでしょうか。「感情的なクレーム」と「冷静・論理的なクレーム」の対応方法についてご説明します。
また、人それぞれ自分なりのやり方はあると思います。
以下を参考にして自分なりの対応方法を見つけていってください。
感情的なクレームはひたすら耐える
感情的なクレーム対応はそんなに難しくありません。ただ耐えれば良いだけです。
特にグワッと温度が高くなった人は、その感情を長時間維持することはできません。そのうち疲れてきます。
ですので、ひたすら「申し訳ございません」「おっしゃる通りです」「はい」、この3つの言葉を繰り返していましょう。
そうすると相手も疲れてきて・言うことが無くなってきて、黙り込んでしまいます。そうすれば「今後気を付けろよ!」で終わります。
やっちゃいけないのは反論することです。
反論することで、さらにヒートアップしてしまい、言い返す言葉も与えてしまいます。
対面のクレームと違って、顔が見えず、手を出されることもないため、ただ時間が経つのを待つのみです。
心の中で舌を出しながら「申し訳ございません」と言い続けひたすら耐えましょう。
冷静・論理的なクレームはさらに上の人と相談する
やっかいなクレームです。
論理的なクレームと言うのは、オペレーターの対応が悪かったり、商品・サービスに欠陥があったりと、こちら側に非があるケースが多いものです。自分で解決できる権限があるのであればその場での対応ができますが、そうでなければ素直にさらに上の人と相談しましょう。
謝罪はもちろんですが、そのクレームの内容に対してしっかりとした対応が求められます。
論理的なクレームは感情的なクレームと違い、耐えれば終わるものではなく、しっかりとした対応が必要です。「しっかりとした対応」とは、商品代金の返金や謝罪文発送など、ある程度の権限が必要です。
自分では対応できそうもなければ、さらに上の人に対応してもらうようにしましょう。
オペレーターのクレーム対応術についてはこちら
クレーム対応は管理者の仕事です
クレーム対応はオペレーターの仕事ではありません。
オペレーターに非があってのクレームでも管理者の仕事です。その場合は、後ほどオペレーターへ指導をしていきましょう。
管理者の一番の存在意義はクレーム対応と言っても過言ではありません。
慣れるまではたとえ管理者であっても、ロールプレイングしたり、上司にモニタリングをしてもらうなど、経験を積んでいきましょう。
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