社会に出ると、さまざまな場面で自分を評価されことになります。
カーネギーは世間が人の評価をするときには次の4つだと言っています。
- 行動
- 外観
- 話す内容
- 話し方
例えば、シミ一つないシャツを着て・自尊心を保ち・その日に接することになる誰からも尊敬を得ることができるような身づくろいをしている人でも、言葉遣いが間違っていると一気に評価が下がってしまいます。
日本語で言えば、尊敬語と謙譲語が正しく使えていないとか、語彙が足りないとか、それだけできちんとした大人に見られない危険が出てきます。
何か聞かれても、「マジで!?」とか「やばい!」しか言えない人だと、話していてもがっかりしてしまうこともありますね。
スピーチやプレゼンでも言葉の浅さが出てきてしまうと、それだけで説得力は激減してしまいます。
大人にふさわしい言葉遣いと語彙力を身に付ける必要があるのです。
今回は語彙力を高める必要があると考えさせられるエピソードを4つ紹介していきます。
語彙力を高める必要があるエピソード
リンカーン
アメリカ大統領のリンカーンですが、生涯を通じて12か月以上学校に行ったことはありませんでしたし、両親も教養のある人間ではありませんでした。しかし、リンカーンは人々から感嘆されるほど言葉の才能に恵まれている人物でした。
それはなぜでしょうか。
リンカーンは、自分と知能程度が同じか自分よりも劣る人と付き合うことで自分の時間の全部を浪費するようなことはしませんでした。
当代一流の知識人たちと親交を結んだのです。
さらに、リンカーンは本をたくさん読んでいました。ホワイトハウスにいた頃も、詩集をベッドサイドにおいて置き、感動的な詩を見つけると夜中でも寝間着にスリッパで寝室から出てきて、秘書に朗読して見せたそうです。
また、リンカーンは弁護士として成功したいと願う若者に、次のように書いています。「方法はただ一つ、良い本を何冊か手に入れ、それを読んで念入りに研究することです。」
くだらない付き合いはやめて、その時間を読書にあて、語彙力を増やしていきましょう。
そうすれば言葉遣いや表現力は豊かになり、説得力のあるスピーチやプレゼンができるようになるでしょう。
マーク・トウェイン
『トム・ソーヤーの冒険』を書いたマーク・トウェインは、どこに行くにも『ウェブスター大辞典』を手放さなかったそうです。
彼は駅馬車で旅をしていたので、余分な荷物はいっさい乗せられなかったのですが、辞書だけは肌身離さずに持ち歩き言葉の勉強を続けていました。
その努力が彼を世界的な大作家として成功させていたのです。
カーネギー
カーネギーの受講生の中に、文章がしっかりして言葉遣いの美しい人がいました。彼が豊富な語彙力を持てたのは、普段から会話や本で知らない言葉を見つけると、必ずメモしてその日のうちに辞書を引いて意味を調べていたからでした。
知らない言葉がなかった日は、同義語や反義語などを集めた辞書を丹念に読んでいたそうです。
その人のモットーは「一日に一語、新しい言葉を」でした。
覚えた言葉を手帳に書き留め、次の日3回使えば自分の語彙として永久に身に付く、と彼は語っていたそうです。
一日一語だと1年で365語になります。それを何年も繰り返したら莫大な語彙力が身に付きます。この差が大きいのです。
特に若い人たちはこのことを心にとめ、小さな努力を重ねていきましょう。そうすればそれがのちに大きな財産となって返ってくるのです。
ある雑誌の編集者
表現に独創性がないと考え方も硬直してしまいます。
ある雑誌の編集者は以下のように語りました。
「出版してほしいと持ち込まれた小説の中に、陳腐な言い回しが二つか三つ見つかると、その先を読んで時間を無駄にするよりも、すぐさま著者に送り返すことにしている。なぜなら、表現に独創性のない人は考え方にも独創性がほとんどないからだ。」
なんとも辛辣な意見です。
たしかにスピーチでも使い古された言葉を聞いているとうんざりすることがあります。逆に、独創的な表現があると「おっ!」と興味を引きます。
特に若い人たちは感性がフレッシュですので、その若さを武器にして斬新であっと驚くような表現を使ってみましょう。
語彙力を増やすためにやること
それでは、語彙力を増やすために行うべきことはどのようのことでしょうか。
どんな人と付き合うかによって言葉遣いは大きく違ってきます。リンカーンのように、付き合う人を選び、優れた文学作品を親しむようにしていきましょう。
また、本を読むときは辞書をかたわらに置き、知らない言葉はすぐに調べるクセをつけましょう。
言葉を発するときは、陳腐な例えを使わず新鮮な味を出す表現を出すように努力しましょう。あなた独自の例えを作り出すのです。
勇気をもって自分の個性を打ち出していきましょう。
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