誰かに何かをお願いするとき、ただ「お願いします」だけだとなかなか気持ちが伝わらなかったり、同じ表現を毎回使うと語彙力の少なさを疑われたりしてしまいます。
また、お願いするにも、「見てください」「確認してください」「手伝ってください」など、状況によって異なる表現が必要な場合もあります。
いろいろなお願いの仕方を覚えておいて、状況によってより丁寧な表現を使うことが出来るようにしていきましょう。
「お見知りおきください」
初めてお会いしたりお話ししたりするときに、相手に自分のことを印象付けたい場合、「私のことを覚えておいてください」と言いたいけれど、さすがに初対面だと馴れ馴れしい感じがします。
相手が「自分のことを見知ること」を敬う表現で、
初めまして○○です。どうぞお見知りおきください。
などのように初対面の挨拶として使えます。
「これを機に自分のことをご記憶くださいね」というニュアンスです。
「お含みおきください」
事前に伝えていたスケジュールが必ずしもその通りにならなかったり、物事進めるにあたり条件が付いていることなど、トラブルを回避するために相手にあらかじめ知っておいてほしいことがある場合に使います。
「知っておいてください」や「ご承知おきください」でも問題ないですが、一方的に命令されているようにも聞こえます。
目上の人やお客様などに使いにくいときは、
どうぞ、お含みおきください。
というフレーズを使い、「覚えておいてくださいね」と念押ししておきましょう。
「お含みおきください」で「心に留めておいてください」とお願いする表現となります。
「お目通りのほどお願いします」
「目通し」は、「目を通すこと」で、「見ておいてください」を丁寧に表現した言葉です。
上司やお客様に書類やメールをチェックして欲しいときに、「ご一読ください」でも問題ありませんが、
お手すきのときにお目通しのほど、よろしくお願いいたします。
と伝えると丁寧な表現となります。
「お力をお貸しください」
人に助けや配慮を求めたいときは「お願いします」でもよいですが、そればかりだと言葉を知らない人と見られてしまいそうですし、状況によっては言い換えたほうがよいこともあります。
上司の助けが欲しいときは、
お力をお貸しください。
と言い換えてみましょう。
相手を立ててお願いするフレーズになります。
「お手を煩わせて申し訳ございません」
自分一人ですべてをこなせるわけでもなく、人の手を借りることもあります。
そんなときに目上の人には恐縮や感謝の気持ちを込めて、
お手を煩わせて申し訳ございません。
と伝えます。
「手を煩わす」には、「手伝ってもらって人に迷惑をかける」という意味があります。
クッション言葉にすると「お手数をかけてすみませんが~」となりますので、その後に「●●をお願いできますか」と続けましょう。
「なにとぞよろしくお願い申し上げます」
「どうぞよろしくお願いします」はよく使う表現です。
それ以上に真剣に「お願いしたい」という気持ちを伝えたいときは「どうぞ」ではなく、
なにとぞよろしくお願い申し上げます。
という表現があります。
「なにとぞ」は「何卒」と書きます。
「何卒」は、手段を尽くそうとする意志を表し、「どうか○○してください」という強い懇談の気持ちが伝わります。
お願いするときのまとめ
「私のことを覚えておいてください」→「お見知りおきください」
「知っておいてください」→「お含みおきください」
「見ておいてください」→「お目通りのほどお願いします」
「助けてください」→「お力をお貸しください」
「手伝ってくれてありがとうございました」→「お手を煩わせて申し訳ございません」
「お願いします」→「なにとぞよろしくお願い申し上げます」
言い方一つで印象もだいぶ異なります。
丁寧な言葉遣いはそれだけお願い事を受けてもらえる可能性が高くなります。
上手く使い分けていきましょう。
コメント