いつも言う言葉にちょっとした一言を加えるだけで「この人の言葉は温かいな」と思われることもあります。
そんな言葉遣いができたら素晴らしい人徳を得ることができますね。
相手のことを思って口に出た一言が人間関係をより豊かにしてくれる、そんなちょっと気の利いた一言を集めました。
「ありがとう」には具体的な一言を加える
感謝の気持ちを表すときは「ありがとう」という言葉を使いますね。相手が目上の人や知らないひとであれば「ありがとうございます」という言い方になります。
ただ、口先だけの「ありがとう」という感謝の言葉は、儀礼的な意味しか伝わりません。これは、人と人とが接触するときの最低限のルールということです。
ですので、本当に感謝の気持ちを伝えたいのなら一つでも良いので具体的なことを付け加えるのがポイントです。
例えば、食事をご馳走になったときのことをイメージしてみてください。
ありがとうございました
これだとシステム的ですね。
ごちそうさまでした
これも少しは感情が見えますがまだまだですね。
おいしかったです、ごちそうさまでした!
「おいしかった」という一言があれが、ご馳走になった料理を楽しんだという事実をお伝え出来ます。ご馳走した側も、相手が喜んでくれたという「証言」を得た感じがしますので、より満足感があります。
さらに、
(料理名)は初めて食べました、あんなに美味しいものは初めてでした。ごちそうさまでした!
このように具体的な料理名を伝えると感謝の内容が一層高まってきます。
単に「ありがとうございます」「ごちそうさまでした」ではなく、もう一つ具体的な事柄を付け加えるだけで相手へ与える印象は変わってきます。
「ごめん」の一言は「すぐに」「ストレートに」
小さなちょっとしたミスだと、すぐに人も忘れてくれるだろう考えて何もせずうやむやにしようとしてしまう人もいますね。この気持ちは分からないでもありません。
ただ、それによって不便を被ったり、気分を害したりした人はいますから、その人にとってはこれは「しこり」としていつまでも残ってしまいます。その「しこり」は少しずつ大きくなっていって、固まり切ってしまうかもしれません。そして固まった「しこり」が風化するにはかなりの時間が必要になります。
ちょっとしたミスですも自分に非があれば即座にその罪を認めて謝りましょう。そうすれば、その「しこり」は固まらずにすぐに消えてしまいます。
謝るときは即座に頭を下げて簡潔に謝罪の言葉をいうのが鉄則です。
いさぎよく非を認める行為は、周りに好印象を与えます。すがすがしい謝り方はその人の人格を上げてくれます。
「ノー」には「サンキュー」の一言が大切
人に何かをすすめられて、それを断るときは「いいえ」といったり、「結構です」という言葉を使います。
ただ、英語では「ノー・サンキュー」と言います。
「ノー」と伝えるときも「サンキュー」という感謝の一言を加えるのが特徴です。
単なる社交辞令的な表現ではありますが、人間関係の視点からみると見習うべき心得です。
相手からすすめられたことを断るのは、自分にとっても相手にとっても気まずいものですが、否定的なリアクションでも「ありがとう」という感謝の気持ちを伝えることで柔らかい雰囲気を作り、これからも友好的な関係性を続けていきましょう、というニュアンスを伝えることが出来ます。
自分のことを聞かれたら「あなたは?」の一言
英会話の習い始めでは次のようなやり取りを教わりますね。
How are you?
I’m fine, thank you. And you?
「お元気ですか」「ありがとう、元気ですよ」「あなたはどうですか」と質問を同じ質問を返しますね。
相手が自分に興味を持ってくれて、自分の個人的なことを聞いてきた場合、自慢げに延々と話してしまうことはやめましょう。自分の情報は「大したことないですよ」「つまらないことですよ」と少し答えて、同じような質問を相手にも返すようにしましょう。
自分については過小評価するくらいがちょうど良く、相手のことに興味を持つようにしていきましょう。
一つ一つ、相互主義を貫いていくことがより良い関係性を継続していく原則です。
「大変だったろう」という労いの一言
仕事であれば、通常業務をいったん中止しても緊急の業務を優先させることもあります。それが完了したときは、「大変だったろう」という労いの一言をかけてあげましょう。
人間であればだれでもミスはします。そのミスが周りの人や取引先や部下に迷惑をかけてしまうこともあります。自分のミスを必死にカバーしてくれた人には「無理を言ってすまなかった」「これで助かった」という労いの一言をかけてあげましょう。
全力を尽くしてエネルギーを空になった部分を埋めるには、温かいねぎらいの一言です。その言葉は相手の身体全体を温かくつつみ、じわっと心にしみ込んでいきます。ねぎらいの一言を発することによって、その大変さを自分も感じとろとすれば自然に出てくるものです。
「大変だっただろう」「無理をいってすまなかった」「これで助かった」など、労いと感謝の言葉があってしかるべきです。
「まだ」と「もう」の一言の違い
スタートからゴールまでの途中にいるとき、その状態を「まだ」と考えるか「もう」と考えるかによって自分の心理状態や心構えが決まってきます。
「まだ半分」と考えるとゴールまでの距離を想像して、その距離にひるんだり気圧されしてしまいます。
「もう半分」と考えるとスタートからここまでやってきた努力の結果を見て自信がつきます。
未来を見てばかりいると足が地につかずバタバタと無為に騒ぐことにもなります。
ときには過去を振り返ってみるとそれまでの自分の偉業を確認でき、励みや自信につながってきます。
目の前にネガティブな考え方をした人がいたのならば、その逆のポジティブな見方があることを伝えてあげましょう。相手が「まだ」といったら「もう」、「もう」といったら「まだ」の観点からの言い方をしてみると、救いの言葉となるかもしれません。
ほんの些細な一言が誰かを救うこともあります。
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