「やばい」と同じくらい万能語として使われている言葉に「大丈夫」という単語がありますね。
「大丈夫」の本来の意味は、「危険や心配がなく安心できる様子」「間違いなく確かな様子」です。この意味転じて、たくさんの派生した使い方がされています。
ただ、今ではとてもたくさんの意味で使われている、その前後の文脈や相手の表情から「大丈夫」の意味を理解して理解する必要が出てきています。
また、上司やお客様に対して間違った敬語として使っている人もいます。
今回は「大丈夫」について解説していきます。
「大丈夫」の語源
まずは、「大丈夫」語源からご説明します。なんとなく見た目が堂々とした字ですが、その語源は中国からです。
「丈夫」は男性の意味
昔の中国では、「丈」は長さの単位で、約1.7メートルを表していました。そして「夫」は男性という意味です。
「丈」の長さが成人男子の身長と同じことと、「夫」は男性なので、中国では成人男子のことを「丈夫」と言い、とくに立派な男子のことを「大丈夫」と言っていました。
「大丈夫」が日本に伝わってときは「立派な男子」という意味でしたが、それが転じて「非常にしっかりしている」「非常に強い」という意味になり、さらに「間違いない」「確かだ」という意味にも使われるようになりました。
「人」が3人いる
「大丈夫」には「人」が3人入っています。
「大」にも「人」という字が含まれてますし、
「丈」にも「人」という字が含まれてますし、
「夫」にも「人」という字が含まれてます。
ちょっと落ち込んだときに、「大丈夫!」というと、それは3人の人があなたを励ましてくれているのです。
上手くいかなくてイライラしている人に、「大丈夫!」と声をかけてあげると、3人の人が励ましてあげています。
とても心強い言葉ですね。
「大丈夫です」のいろいろな意味
本来の「大丈夫」の意味は、以下です。
1 あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま。
2 まちがいがなくて確かなさま。
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ただ、その時々で意味が変わってきて、今ではかなりの万能語として使われていますね。
シチュエーション別に「大丈夫」の意味を見ていきます。
相手の意見の賛成する「大丈夫」
「あなたの意見に賛成します」「それでいいですよ」という意味で「大丈夫です」と使いますね。
それでは明日の11時までということでよろしいですか?
はい、大丈夫です
支障がないときの「大丈夫」
「特に差し支えありません」という意味での「大丈夫」です。
少し考えますので、お返事は明日で大丈夫ですか?
はい、明日で構いません
気にしないでの「大丈夫」
「気にしないでね」という意味ですの「大丈夫」です。
ちょっと言い過ぎた、ごめん
うん、大丈夫だよ
問題ないときの「大丈夫」
物事の進捗で特に何事もなく進んでいるときに使いますね。
今度の日曜の買い物、予定通りいけるよね?
うん、大丈夫だよ
お断りするときの「大丈夫」
やんわりとお断りするときの使い方ですね。
レシート必要ですか?
あ、大丈夫です。
「いらないです」と言うよりも間接的にお断りするので、柔らかい印象になりますね。
上司からの飲みの誘いを遠慮するときも「大丈夫です」ということもあります。「大丈夫なら来れるはずでは・・・」と思ってしまいますが、やんわりとお断りするときに使う言葉ですね。
「大丈夫です」は上司に対しての敬語表現として適切か
それでは「大丈夫です」という返答は上司やお客様に使うべきでしょうか。
答えはNOです。
目上の人への言葉遣いとしては適しておりません。対等か自分以下の立場の人へ使う言葉として覚えておきましょう。
「大丈夫」は、肯定としても否定としても受け取ることができるため、あいまいな返答になってしまうからです。
上司やお客様へ了解の意を表すときは「承知いたしました」「かしこまりました」とう返答をしていきましょう。
何事も正しい言葉遣いは、相手への思いやりです。特にビジネスでの言葉遣いは大きな誤解を生む可能性もありますので、正しく使っていきましょう。
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