電話対応の言葉遣いと手紙の言葉遣い

言葉

電話での会話で使うべき敬語は、相手が見えないだけに難しいものです。

また、普段は使わない手紙も、手紙ならではの言葉遣いが存在します。

また、普段使わない言葉もありますので、勉強したり意識的に覚えないと失礼な言い方になってしまうこともあります。

今回は、電話対応の言葉遣いと、手紙での言葉遣いを解説していきます。

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電話対応の言葉遣い

プライベートではあまり電話しない人でも、ビジネスでは電話はまだまだ必須アイテムですね。

特に会社の代表電話はその会社の窓口ですので、正しい言葉遣いを覚えておかないといけません。

「よろしければご用件を承ります。」

「ご用件は何でしょうか。」では「何の用?」と聞いているのと同じで、失礼になります。

クッション言葉の「よろしければ」と、「承ります」の謙譲語を使いましょう。

「鈴木は休みを取っております。」

「休みをいただく」と言いやすいですが、これだと「いただく」の敬意の対象が会社になってしまい、電話の相手に対して不適切です。

「休みを取る」や「休暇で不在にしている」という表現にしましょう。

「お電話番号をお聞かせいただけますか。」

「お電話番号を頂戴してもよろしいですか。」という表現を使ってしまいがちですが、「頂戴する」は「もらう」の謙譲語です。

電話番号はもらうものではなく聞くものですので、「聞く」の尊敬語を使います。

「お電話番号を伺ってもよろしいですか。」でもよいでしょう。

鈴木様でいらっしゃいますね。

相手の名前を復唱するとき「鈴木様でございますね。」としてしまうと、「ございます」は自分が名乗るときに使う丁寧語です。

相手の名前を復唱するときは「いらっしゃいます」という尊敬語にしましょう。

今は受け付け致しかねます。

「かねる」は、「できない」や「難しい」の意味です。

「できかねます」ではなく、謙譲語の「致す」と組み合わせて「致しかねます」と使いましょう。

何時頃がご都合がよろしいでしょうか。

「何時頃が都合がよいですか。」を丁寧にした表現です。

先方の都合を聞くので、「都合」に「ご」を付けて「ご都合」、「よいですか」も丁寧にして「よろしいでしょうか」と言いましょう。

鈴木さんに伝言をお願いしたいのですが。

「伝えてもらえますか」では失礼になります。

「お伝えくださいますか」「伝えていただけますか」「お伝えいただけますか」など、丁寧に言いましょう。

申し伝えます。

「言い伝える」の謙譲語で、「取り次いで申し上げる」という意味です。

伝言を承る場合、「申し伝えておきます」と言います。

手紙の言葉遣い

今の時代はなかなか手紙を書く機会はありませんが、招待状やお礼状などはあるとき突然必要になってくるものです。

そんなときにこういった言葉遣いがサッと出てくるとカッコいいですよね。

ご臨席いただきますようお願い申し上げます。

改まった式典などえの招待状では、「ご出席ください」ではなく、「ご臨席いただきますよう」や「ご列席賜りますよう」と表記します。

かしこまった席などですぐに出てくるようにしておきたい言葉です。

ご清祥のこととお喜び申し上げます。

「清祥(せいしょう)」とは、相手が健康で幸福に暮らしていることを喜ぶ挨拶の言葉です。「清」は清らか、「祥」は幸いを表します。

メールや手紙で使います。

卒爾ながら

「卒爾」とは、物事の起こるのが突然であることを表します。「卒爾ながら」は慣用句として「突然で失礼ですが」という意味合いで使われます。

手紙文で「突然ですが」に代えて使うと格調が高まります。

幸甚です。

「幸甚」とは非常にありがたいことです。

「~していただければ幸いです」を「~していただければ幸甚です」と言い換える表現です。

ご厚誼を賜り、御礼申し上げます。

日頃から親しくお付き合いをしていただいていることに感謝の気持ちを伝えたいときに使う表現です。

「いつもありがとうございます」でもいいのですが、改まった印象になります。

久方ぶりでございます。

長くあっていなかった人へ、「お久しぶりです」と挨拶するときの、やや改まった表現です。

同僚に対しては「しばらくです」などの表現も使います。

つつがなくお過ごしですか?

「つつがない(恙ない)」は、健康である・無事であることを示します。

「お元気ですか?」に代わる表現として「恙なくお過ごしですか?」と表します。

ご自愛ください。

手紙の末文で使われる表現が「ご自愛ください」です。

「自愛」は、自分を大切にすること・足田に気を付けることを表す言葉なので、「お体を大切に」といった意味で使われます。

かしこ / あらかしこ

「かしこ」は「恐れ多く存じます」の意味で、手紙の結びにつけて相手に敬意を表す言葉です。

「あらかしこ」は「行き届かない書き方で恐縮です」というニュアンスで「かしこ」よりも丁寧な表現です。

なお、「拝啓」→「敬具」、「前略」→「草々」など、通常は結びの言葉(頭語)は出だしの言葉と組み合わせになっていますが、「かしこ」「あらかしこ」はどんな頭語でも使えます。

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