美しい四季と厳しい自然と向き合ってきた日本。日本人だからこそ生まれた趣のある言葉があります。
今回は冬を表す言葉です。
寒さを乗り切る知恵と、寒さを楽しむ気持ちがア笑われている言葉が冬を表しています。
日本人だからこそ生まれた言葉です。
冬を表す言葉
息白し
冬になると気温が低くなり、白息が白く見えます。
とても冬らしい光景です。
凍鶴(いてづる)
風雪に耐えながら、鶴が首を後ろの羽根にうずめて足一本で立っている様子から、凍てつく寒さを表現しています。
木枯し
秋から冬の始めに吹く、強い冷たい北風のことです。
木の葉をすべて落として枯らせてしまうほどの風であることからきました。
「凩」とも書き、元は「木嵐」という説もあります。
凍み豆腐(しみどうふ)
凍り豆腐のことで、高野豆腐ともいいます。
寒中、豆腐を屋外で凍らせて乾燥させた保存食です。
元々は高野山で開発された伝統製法といわれています。
冬の季語です。
埋み火(うずみび)
炉や火鉢に入っている灰に埋めた炭火のことです。
いけ火、いけ炭ともいいます。
灰の中で火を持続し続けることから、秘めた恋に例えられることがあります。
寒参り
小寒と大寒を合わせた30日間、毎晩神社やじいんに参拝することです。
一年でもっとも寒い時期に、白衣に鉢巻を締め、鈴を振りながら行う苦行です。
お歳暮
本来は、「正月にやってくる年神様にお供えするもの」として、文字通り「年(歳)の暮れ」に贈っていたものでした。
転じて、お世話になった人に対して感謝の意を表すために「歳暮周り」を行い、このときに贈る贈答品を「お歳暮」と呼ぶようになりました。
風花(かざはな)
花びらが舞うように降る雪のことです。
晴れた空から降ってくる雪を形容することが多いです。
細氷(さいひょう)
ダイヤモンドダストのことです。
大気中の水蒸気が昇華して、氷の結晶となって降る様子です。
銀花
雪の結晶が花のように見えることから雪の別称になりました。
雪はほかに、「天花(てんか)」天から降ってくる花、「立花(りっか)」六角形の雪の結晶、などとも呼ばれます。
樹氷(じゅひょう)
霧の粒が木の幹や枝に付着し、そのまま凍った現象です。
風の当たるほうに大きく成長して、さまざまな形に変化するので、スノーモンスターとも呼ばれます。
木の葉雨
風もないのに木の葉がハラハラと切れ目なく雨のように散り続ける様子です。
この風景を命の終わりと例えることもあります。
冬の季語です。
底冷え
体の芯まで冷える、あるいはそれほど寒い様子。
鮭冬葉(さけとば)
秋鮭を半身に下ろして皮付きのまま縦に細く切り、海水で洗って潮風に当てて干したものです。
北海道や東北地方の名産です。
師走(しわす)
12月の異称。
僧(師)がお経を上げるために東西を馳せることから「師走」となったなどの説があります。
山眠る
静まりかえった冬の山を表します。
小林一茶は、「君が世や風治りて山ねむる」と詠みました。
冬至
二十四節季の22番目で、12月22日頃です。一年のうちで昼がもっとも短く、夜がもっとも長い日です。
冬至に無病息災を祈って柚子湯に入ったりカボチャや小豆を使った粥を食べたりします。
煤(すす)払い
大掃除のことです。
お正月に年神様を迎えるために家の中を掃き清めます。
もともとは12月13日(正月ごとを始める日)に神棚や仏壇の掃除だけを行っていました。
昔は炊事に薪(まき)を使っていたため、家の中が煤で汚れてしまったことから「煤払い」といわれます。
除夜の鐘
古い年を除き去り、新年を迎える日を「徐日」といい、その夜を「除夜」といいます。
つまり、大晦日の夜です。
大晦日の深夜0時を挟む時間帯に寺院の梵鐘を108回つくのが習わしですね。
垂水(たるみ)
氷柱(つらら)のことです。
家の軒や木の枝などから水のしずくが垂れ、氷となります。
冬萌(ふゆもえ)
冬枯れのなかにも、木の芽や草の芽が萌えだしている様子です。
冬の間でも植物は春に向けて目を出す準備を始めています。
冬至南瓜(とうじかぼちゃ)
カボチャの旬は夏ですが、昔は保存して冬にも食べました。
冬にカボチャを食べると風邪予防にもなり、中風(手足のしびれやマヒ状態)の予防にもなるということで、冬を乗り越えられるために食べる風習がありました。
年惜しむ
年末に、終わろうとする一年を惜しむ気持ちです。
「今年もいろいろあったなぁ」と感慨深くなる様子です。
年越しそば
江戸時代中期には商家で月の末日に三十日(みそか)そばを食べる風習があり、これが大晦日の年越しそばになったとされています。
コメント