正しいと思って使っていた言葉が実は間違った使い方だった、という経験は誰でもあると思います。
言葉の意味を考えると間違った使い方だと気付くこともできますが、普段何気なく使っている言葉だとなかなか気づきにくいですよね。
今回、「二重表現」「言い間違いが多い言葉」を集めました。
一度目を通して自分が使ってないか確認してみましょう。
二重表現
「頭痛が痛い」や「右に右折する」などの二重表現はうっかりやってしまいがちです。気になる人はとても気になってしまいますし、恥ずかしいことです。
二重表現を正しい表現で使えるようにしていきましょう。
あらかじめ予約する → 予約する
「予約」は前もって約束することですので、「あらかじめ」は必要ありません。
「あらかじめ」は漢字にすると「予め」と書きますので「予め予約する」はおかしな表現ですね。
遺産を残す → 遺産がある
「遺産」は残された財産・残す財産のことです。「残す」が二重になってしまいます。
「遺す」も「のこす」と読みますね。
一番最初に → 一番に / 最初に
「最初」が一番初めのことです。
「一番に」もしくは「最初に」にしましょう。
いまだ未解決 → 未解決
「未解決」という文字が「未(いま)だ解決しない」ということです。
「いまだ」は不要ですね。
IT技術 → IT
「IT」は「Information Technology」ですので、「technology(技術)」という言葉が入っているため「技術」は不要です。
今現在 → 現在 / 今
「現在」が今のことですので、「今」か「現在」のみでOKです。
思いがけないハプニング → ハプニング
「ハプニング」とは、思いがけない出来事のことです。
「思いがけない」は外して、「ハプニング」だけでOKです。
各家庭ごと → 各家庭
「各」には「ひとつひとつ」や「個々」という意味があります。
ですので、「ごと」は不要です。
享年70歳 → 享年70
「享年70歳」だと「年」と「歳」が二重になっています。
「享年70」が正しい表現です。
すべて一任する → 一任する
「一任」が、すべて任せることです。
そのため「すべて」は必要ありません。
満天の星空 → 満天の星
「満天」とは空いっぱいという意味です。
「満天の星空」だと「空いっぱいの星空」となってしまいおかしい表現です。
過半数を超える → 過半数になる
「過半数」とは半数を超えることです。
「過半数」は「超える」ではなく「なる」ものです。
挙式を上げる → 挙式する
「挙式」自体に「式を挙げる」という意味があります。
「挙式する」だけでOKです。
射程距離に入る → 射程に入る
「射程」は、弾丸などが届く距離のことです。
「射程内」ともいいます。
互いに交換する → 交換する
「交換」の意味は、互いにやり取りすることです。
つまり、「互いに」は必要ありません。
言い間違えが多い言葉
似たような慣用句と混同して覚えていたり、言葉の順序を間違えていたり、言い間違いが多いことばです。
よくよく意味を考えてみると正しいのか誤りなのかが分かりますので、ほんのちょっと気を付けるだけでも誤用は防げますね。
思いもつかない → 思いもよらない
想定外のことです。
「思いつかない」と混同しないようにしましょう。
極(きわ)めつけ → 極めつき
定評がある、世間で認められている、ということです。
「極めつけ」は誤りです。
飛ぶ鳥跡を濁さず → 立つ鳥跡を濁さず
立ち去る者は後片付けをしてから去るべき、という戒めの言葉です。
「飛ぶ鳥」ではなく「立つ鳥」です。
目覚めが悪い → 寝覚めが悪い
眠りから覚めたときの気分が悪いことです。
「目覚め」は間違った表現です。
間が持たない → 間が持てない
会話が途切れたりして気まずい時間ができることです。
「持たない」ではなく「持てない」が正しい表現です。
眉をしかめる → 顔をしかめる
不満や不機嫌な表情を表す表現です。
「眉をひそめる」と混同しないようにしましょう。
雪辱を晴らす → 雪辱を果たす
「雪辱」が前に受けた恥を雪(すす)ぐ(拭い去ること)ことです。
雪辱は「晴らす」のではなく「果たす」です。
取りつく暇もない → 取りつく島もない
船で海に出て立ち寄る島もなく途方に暮れることからできた言葉です。
ですので、「暇」ではなく「島」が正しいのです。
愛想を振りまく → 愛嬌を振りまく
「愛想」は人に接する態度です。
「愛嬌」は相手を喜ばせるような言動です。
青田刈り → 青田買い
大学などを卒業する前に内定を出し、新入社員として採用を決めることです。
刈るのではなく、買うのが正しい表現です。
足元をすくわれる → 足をすくわれる
卑劣なスダンで失敗させられることです。
「足元を見られる」と混同すると間違いやすくなります。
押しも押されぬ → 押しも押されもせぬ
「押すに押されぬ」と混同しがちです。
意味は同じで、揺るぎないことです。
合いの手を打つ → 合いの手を入れる
相手の話の間に動作や言葉を挟むことです。
「相槌を打つ」と混同してしまうと誤った使い方になります。
明るみになる → 明るみに出る
隠されていたものが明るいところに出ることです。
「明らかになる」は正しい表現です。
うる覚え → うろ覚え
「うろ」は、「洞」「空」「虚」で空洞を表します。
「うる」ではないので気をつけましょう。
汚名挽回 → 汚名返上
「挽回」とは元に戻すことですので「汚名」を「挽回」するのは間違いです。
「名誉挽回」は正しい表現です。
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